壁画の人(B)
このペンダントの人物は、ツタンカーメンやクレオパトラにも見られる、古代エジプトに特徴的な化粧を眼に施している。
頭上にはコブラを頂いたかつらを被っている。これもモチーフを、壁画の断片から得て制作した。
厚さ0.80mmのSILVER950の板材から彫金の「打ち出し」技法でレリーフ表現した。
従って、制作工程の全てが鏨の作業である。表面には、「金けし」処理で柔らかな金の彩色を施してあるが、銀の色彩が残る程度に薄く処理している。
この、作品は手に取ると驚くほど軽量にできている。それは、裏面からも表の人物の表情が伺えるほど地金が薄いことからも想像できるだろう。
「金けし」とは純金と水銀のアマルガムを使った原始的な鍍金であるが、現在は水銀の使用ができないため、幻の技法かも知れない。裏面の刻印は1995の表記がある。
本体・SILVER950に金けし
バチカン・K18
縦30mm×横32mm×厚さ4mm